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アトピー性皮膚炎に悩む方にとって、赤みやかゆみと並んで「毛穴の荒れ」も悩みの種になっています。
なぜアトピー肌では毛穴トラブルが起きやすいのか、その原因と効果的な対策について解説します。
アトピー肌の最大の特徴は、肌の表面にある防御壁(バリア機能)が弱くなっていることです。健康な肌では、肌表面の角質層が外からの刺激や水分の蒸発を防いでいますが、アトピー肌ではこの機能が低下しています。
その結果、肌は乾燥しやすくなり、角質が厚くなったり、はがれ方が不規則になったりします。この角質の異常が毛穴にも影響し、角質が毛穴に詰まりやすくなり「毛穴詰まり」が起こります。
特に二の腕や太ももに「ブツブツ」や「ザラザラ」(鶏肌のような状態)ができやすいのは、毛穴に角質が詰まる「毛孔性角化症」と呼ばれる状態で、アトピーの方に多く見られます。
アトピーがある方の約半数にこの症状が見られるという報告もあります。
最近の研究では、アトピー肌の方は肌を潤す皮脂の量が健康な肌より少なく、その質も変わっていることがわかっています。
皮脂は肌表面を保護し、潤いを保つ大切な役割がありますが、その減少によって毛穴周辺が乾燥し、角質がつまりやすくなり、毛穴が目立ちやすくなります。
この皮脂分泌の低下は、アトピー特有の免疫反応が皮脂腺に影響を与えることで起こると考えられています。
皮脂の減少は乾燥だけでなく、肌の抗菌力も低下させるため、さらなるアトピー性皮膚炎の悪化を引き起こし、乾燥や痒みと関連していたと報告されています。
アトピー肌では肌の防御機能が弱いため、通常なら皮膚表面にとどまる細菌(特に黄色ブドウ球菌)が毛穴から侵入しやすくなります。その結果、毛穴を中心とした赤いぶつぶつや膿を持った吹き出物(毛包炎)ができやすくなります。
また、アトピーの炎症が毛穴に沿って起きる「毛孔性湿疹」と呼ばれる状態も見られ、毛穴ごとに小さなぶつぶつやザラつきが生じます。これが「毛穴の荒れ」として感じられることも多いです。
黄色ブドウ球菌はアトピー患者さんの皮膚に多く存在し、その毒素が炎症を悪化させることもわかっています。このような細菌感染は「二次感染」とも呼ばれ、アトピー症状を悪化させる要因になります。
アトピー肌では汗の出口も炎症や角質でふさがりやすく、汗がうまく出せない「汗詰まり」の状態になります。その結果、汗が皮膚内にもれて、かゆみや炎症を引き起こすことがあります。
アトピーの方は汗をかくとかゆみを感じやすく、汗に含まれる成分が敏感な肌を刺激することも原因のひとつと考えられています。また、汗の成分バランスも健康な肌と異なることがあり、これも皮膚状態に影響します。
アトピーの方の約4割には、眉毛の外側が薄くなる特徴が見られます。これは慢性的な炎症や、かゆみによる引っかき行為で毛根にダメージが生じるためです。
同様に、頭皮にひどい炎症がある場合は、一時的に髪の毛が抜けやすくなることもあります。
毛が無ければ毛穴がひきしまり、毛穴のトラブルは格段に減ります。
一見すると関係なさそうに思える医療脱毛ですが、実はアトピー性皮膚炎の症状改善に様々な面で効果があることが研究から分かってきています。
どのような仕組みで医療脱毛がアトピー肌に良い影響を与えるのか、その理由を解説します。
医療脱毛は単に毛を減らすだけでなく、アトピー性皮膚炎の肌に対して以下のような効果があります:
1. 炎症を抑える効果
医療用レーザーの照射は、肌の炎症を引き起こす細胞や物質の働きを抑える効果があります。
Moritaらの研究では、アトピー患者の肌にレーザー脱毛を行ったところ、炎症に関わる物質の減少が確認され、肌荒れが改善したことが示されました。
実験でも、レーザー照射によってアレルギー反応に関わる物質や炎症を促進する物質の産生が減り、肌の過剰な反応が抑えられることが確認されています。
2. 肌の細菌バランスを整える
アトピー肌では黄色ブドウ球菌という細菌が異常に増えることが症状悪化の原因になります。
Fazelらの研究によると、アレキサンドライトレーザーによる医療脱毛を行った結果、肌の細菌の総数が減少し、とくに黄色ブドウ球菌が減る一方で、肌に良い影響を与える表皮ブドウ球菌の割合が増えたことが報告されています。
このように肌の細菌バランスが整うことで、細菌感染のリスクが減り、炎症が落ち着くと考えられます。
3. かゆみを和らげる作用
アトピー肌の慢性的なかゆみは、肌の中に過剰に侵入したC線維という神経の働きが関係しています。
山田らの研究では、アトピー患者の肌にレーザーを照射したところ、肌の中のかゆみのもとになる神経が減少し、それに伴ってかゆみが軽減し、湿疹も改善したことが報告されています。
これは、レーザーの熱によって神経の働きが抑えられ、かゆみを伝える物質の放出が減るためと考えられます。
かゆみが減ることで掻く行為も減り、肌のバリア機能の回復と炎症の沈静化につながる良い循環が生まれます。
4. 剃毛の刺激がなくなる
毎日のカミソリでの剃毛は、アトピー肌にとって大きな刺激となります。
カミソリは微小な傷を作りやすく、そこから細菌(特に黄色ブドウ球菌)が入り込みやすくなります。医療脱毛によって毛が生えなくなれば、こうした物理的な刺激や二次感染のリスクを減らすことができます。
興味深いことに、毛のない部位にレーザー脱毛を行っても症状の改善が見られたという報告があり、これは単に剃毛の刺激をなくす以上の効果がレーザー照射そのものにあることを示しています。
医療脱毛のアトピー改善効果を示す主な臨床研究をいくつか紹介します:
アトピー肌の毛穴トラブルを改善するには、まず肌の防御壁を修復する保湿ケアが基本です。保湿剤を毎日使うことで、肌の水分を保ち、バリア機能を改善し、炎症や毛穴の粗さを和らげることができます。
特におすすめの保湿成分:
保湿剤は入浴後10分以内など、肌がまだ潤っているうちに塗るとより効果的です。また、季節や環境に応じて使い分けるのも良いでしょう。
毛穴の荒れが湿疹や炎症によるものなら、医師の処方による外用薬が効果的です:
炎症を抑えることでかゆみの連鎖を断ち切り、掻きむしりによる毛穴の損傷を防ぎます。医師の指導のもと、適切な強さの薬を、必要な期間だけ使用することが重要です。
毛穴の角質詰まりやザラつきには、適度な角質ケアが有効です:
これらは特に二の腕や太ももの「ぶつぶつ」に効果的で、定期的に使うことで肌触りが改善します。ただし、肌が敏感な時は使用を控え、低濃度から始めるのが安全です。
入浴時に柔らかいタオルで優しくマッサージするのも良い方法ですが、強くこすらないよう注意しましょう。
毛穴の炎症に細菌が関わっている場合は、清潔を保つことが大切です:
特に、アトピー肌でよく見られる黄色ブドウ球菌の増殖を抑えることで、症状の改善が期待できます。ただし、過剰な洗浄は皮膚バリアをさらに傷つける恐れがあるため、優しい洗浄を心がけましょう。
毛穴の荒れがアトピー症状全体の一部として強い場合は、医師と相談して全身的な治療を考慮することもあります:
これらの治療で皮膚の状態全体が改善すると、毛穴のトラブルも一緒に良くなることが多いです。
アトピー性皮膚炎では、肌のバリア機能の低下や免疫反応の異常により、毛穴周辺にさまざまな問題が起こりやすくなります。日々の丁寧な保湿ケア、適切な炎症コントロール、優しい角質ケア、そして清潔の保持が基本的な対策となります。
症状が気になる場合は、自己判断せず皮膚科医に相談することをおすすめします。個人の症状に合わせた適切な治療法を選ぶことで、アトピーによる毛穴の荒れを効果的に改善できます。正しい知識と適切なケアで、アトピー肌でも毛穴トラブルを和らげ、より快適な肌状態を目指しましょう。
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