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酒さの赤み・ほてり・灼熱感にVビームが効果的

酒さの赤み・ほてり・灼熱感にVビームが効果的

酒さ(しゅさ)に悩む方々にとって、顔の「赤み」「ほてり」「灼熱感(ヒリヒリ感)」は日常生活の大きな負担になっています。

化粧でカバーしようとしても完全には隠せず、突然のほてりは予測できないため、社会生活や精神的な面でもストレスとなることが少なくありません。

今回は、そんな酒さの症状改善に効果があるとされる「Vビームレーザー治療」について、最新の医学研究をもとに詳しくご紹介します。

どのような仕組みで酒さの症状を和らげるのか、気になる安全性や副作用についても解説します。

酒さ

まず、酒さについて簡単におさらいしておきましょう。酒さは、顔の中心部(頬、鼻、額、あご)に慢性的な赤みや血管拡張が生じる皮膚疾患です。主な症状には以下のようなものがあります:

  • 赤み:常に顔が赤い状態が続く
  • ほてり:温かい飲食物、辛い食べ物、アルコール、運動、精神的ストレスなどをきっかけに、顔が急に赤くなる
  • ヒリヒリ・ピリピリした灼熱感:皮膚が焼けるような感覚や刺痛を感じる
  • 目立つ血管:顔面の細い血管が拡張して赤い筋状に見える(毛細血管拡張)
  • にきびのような発疹:進行すると赤い丘疹や膿疱が現れることも

これらの症状は組み合わさって現れることが多く、特に「赤み」「ほてり」「灼熱感」は多くの患者さんが訴える悩みです。

Vビームレーザーとは?

Vビームレーザーは血液中の赤い色素(ヘモグロビン)に特によく反応するという特性があります。

レーザーが血管内のヘモグロビンに吸収されると熱に変わり、異常に拡張した毛細血管を選択的に加熱・破壊します。

これにより、肌の表面はほとんど傷つけずに、拡張した血管だけを標的にして処理することができるのです。

本当に赤みやほてりは改善する?

では、このVビームレーザーは酒さの症状に対して実際に効果があるのでしょうか?複数の臨床研究を見てみましょう。

赤みとほてりへの効果

ノイハウスらが2009年に行った比較試験では、中等度の赤み症状を持つ酒さ患者29名を対象に、顔の片側にVビームレーザー、反対側に別のIPL(光治療)を月1回のペースで3回照射しました。結果、レーザーを照射した側では紅斑(赤み)や血管拡張が有意に改善し、患者さん自身が報告する「ほてりの頻度」や「灼熱感」なども軽減しました。

タンらの2004年の研究では、16名の酒さ患者にVビームレーザー治療を2回行ったところ、患者の申告による「ほてり」「灼熱感」「皮膚刺激感」は非常に改善し、さらに生活の質(QOL)も向上したと報告されています。

また、フォーゲルマンらは2015年に、原因不明の「顔のほてりと灼熱感」を訴える10名の患者さんに、平均7回のVビーム(585nm型)治療を行った結果、全員(100%)に自覚的な灼熱感の軽減とほてり発作頻度の減少が見られ、客観的評価でも平均62.5%以上の赤み軽減が確認されました。

最新の研究では、ヌーエンらが2024年に酒さ患者45名を対象に、Vビームと別のレーザー(KTPレーザー)の効果を比較しています。6~8週間隔で最大3回照射したところ、両方のレーザーとも赤みが有意に減少し、専門医による評価と患者自身の評価の両方で「全体的な外観」「赤み」「血管拡張」が改善しました。特に患者報告では持続的な赤みだけでなく、ほてりの頻度・程度も明らかに改善しています。

効果が出にくいケース

一方で、いくつかの研究では、Vビームレーザーの効果が限定的となるケースも報告されています。

クラークらの2002年の報告によると、刺激によって生じる強いほてり(一過性の強い赤み)や鼻の目立つ血管拡張については、十分な効果を上げることが難しい場合があるとされています。つまり、ほてり発作が激しい症例や太い血管にはVビーム単独では不十分な可能性があるのです。

また、持続的な赤みや血管拡張がほとんどなく、ほてりのみを訴えるような患者さんでは、レーザーが標的とする血管構造が乏しいため効果が限定的となる場合もあります。

なぜ効くの?

Vビームレーザーが酒さの症状を改善する仕組みには、いくつかの要因が考えられています。

1. 拡張血管の減少

最も明らかなメカニズムは、拡張した血管を選択的に破壊することです。レーザーのエネルギーによって異常な血管が閉塞・消失することで、顔の赤みが軽減されます。

2. 神経線維への作用

より興味深いのは、レーザー治療が皮膚の神経にも影響を与えるという発見です。ロネ・ラームらが2004年に行った研究では、酒さ患者32名にVビームレーザー治療を行い、治療前後で皮膚の一部を採取して顕微鏡で調べました。

その結果、レーザー治療3ヶ月後には皮膚表面近くの神経線維の密度が減少し、痛みや炎症を伝える物質(サブスタンスP)を含む神経線維も減少していました。これと並行して、32名中31名の患者さんで刺激に対する痛み反応が客観的に減弱していたのです。

この研究から、Vビームレーザーは拡張血管を減らすだけでなく、周囲の知覚神経線維を一時的に不活性化し、痛みやヒリヒリ感などの不快症状を和らげる効果があると考えられています。さらに、皮膚の炎症を促進する神経伝達物質の放出を抑えることで、赤みやほてりの悪循環を断ち切るのかもしれません。

治療の流れと回数

Vビームレーザー治療は、通常以下のような流れで行われます:

  1. カウンセリング:症状の評価、期待される効果の説明
  2. 前処置:施術前に洗顔、必要に応じて麻酔クリームを塗布
  3. 治療:顔全体または症状のある部分にレーザーを照射
  4. アフターケア:冷却や保湿

治療回数は症状の程度によって異なりますが、多くの研究では2〜3回の照射で効果が見られています。より持続的な効果を得るために、4〜6回、あるいはそれ以上の治療を行うケースもあります。一般的には4〜8週間の間隔をあけて治療を繰り返します。

なお、Vビームレーザーの効果は永続的ではありません。酒さの原因そのものを取り除くわけではないため、時間の経過とともに症状が再発することもあります。多くの場合、6ヶ月〜1年程度の改善期間が得られ、その後必要に応じてメンテナンス治療を行います。

副作用・安全性について

Vビームレーザー治療は比較的安全な施術ですが、いくつかの副作用がありますので知っておきましょう。

一般的な副作用

  • 一時的な赤み・腫れ:施術直後から数時間〜数日続くことがあります
  • 紫斑(あざのような変色):特に高い出力で照射した場合に出現し、1〜2週間程度で消失します
  • 痛み:照射時に「ゴムで弾かれるような痛み」を感じますが、冷却や麻酔クリームで対処可能です

研究では、Vビームレーザーの痛みスコアは10段階中約4.1と報告されており、他のレーザー(KTPレーザーは2.5)と比べるとやや痛みが強い傾向にありますが、ほとんどの患者さんが許容できる範囲とされています。

まれな副作用

  • 色素沈着:治療後に肌が一時的に暗くなることがありますが、通常は数週間〜数ヶ月で元に戻ります
  • 水疱形成:適切なエネルギー設定と冷却を行えば、ほとんど起こりません

重篤な副作用は報告されておらず、全般的に安全性の高い治療と考えられています。実際、複数の研究で患者満足度は高いことが報告されています。

紫斑のある・なしの治療法

Vビームレーザー治療には、「紫斑が出る設定」と「紫斑が出ない設定」の2種類のアプローチがありますが、当院ではダウンタイムや術後の色素沈着の可能性をさけるために、紫斑がでない設定にしています。

  1. 紫斑形成を伴う高エネルギー照射:血管にダメージを与えるため小さな出血が生じ、あざのように見えます。効果は高いですが、1〜2週間のダウンタイム(肌の回復期間)があります。
  2. 非紫斑設定(低出力・長パルス幅):紫斑を避けるために低いエネルギーで照射します。効果はやや緩やかですが、ダウンタイムがほとんどないため、社会生活への影響を最小限に抑えられます。

タンらの研究では紫斑を生じさせる高出力で2回の照射を行い良好な改善を得ている一方、ノイハウスらは紫斑が出ない低出力設定で3回照射しても効果を確認しています。

患者さんのライフスタイルや希望に応じて、どちらのアプローチも選択肢となるでしょう。

まとめ

これまでの研究結果をまとめると、Vビームレーザー治療は酒さに伴う以下の症状改善に効果があると言えます:

  • 持続的な赤み:明確な改善があります
  • ほてり(フラッシング):頻度や強さが減少します
  • 灼熱感・刺痛感:多くの患者さんで自覚症状の軽減が見られます

ただし、効果には個人差があり、特に激しいほてり発作や太い血管拡張のある方では完全な症状抑制が難しい場合もあります。また、一時的な効果であることを理解し、現実的な期待を持つことが大切です。

理想的には、レーザー治療に加えて、日常生活での誘因回避(アルコール、辛い食べ物、極端な温度変化などを控える)や適切なスキンケア、必要に応じて内服薬や外用薬を組み合わせることで、より良い効果が期待できます。

酒さでお悩みの方は、まずは皮膚科専門医に相談し、自分の症状タイプや重症度に合った治療法を選ぶことをおすすめします。Vビームレーザーはその選択肢の一つとして、特に「赤み」「ほてり」「灼熱感」に悩む方にとって、検討する価値のある治療法かもしれません。

参考文献

  1. Neuhaus IM, et al. 非紫斑性パルス染料レーザーと強力パルス光による紅斑性毛細血管拡張性酒さの比較効果. Dermatol Surg. 2009;35(6):920-8.
  2. Tan SR, et al. 酒さのパルス染料レーザー治療は紅斑、症状、生活の質を改善する. J Am Acad Dermatol. 2004;51(4):592-9.
  3. Lonne-Rahm S, et al. 酒さのレーザー治療:病因学的研究. Arch Dermatol. 2004;140(11):1345-52.
  4. Clark SM, et al. 酒さの治療におけるパルス染料レーザーの使用. Lasers Med Sci. 2002;17(1):26-33.
  5. Nguyen L, et al. 532nm KTPと595nmパルス染料レーザーを用いた酒さ治療の前向き対照研究. J Cosmet Dermatol. 2024;23(7):2443-9.
  6. Fogelman JP, et al. 特発性紅潮と感覚異常:585nmパルス染料レーザーによる治療. J Clin Aesthet Dermatol. 2015;8(8):36-41.
  7. Menezes N, et al. 生活の質と酒さ:パルス染料レーザーの影響. J Cosmet Laser Ther. 2009;11(3):139-41.
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