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洗面所の鏡を覗き込んで、また増えたニキビを見つけたとき。
「またか…」とため息をつきながら、スマホで「ニキビ 治し方 即効」と検索する。
そこに出てくるのは、キラキラしたインフルエンサーの「これで私のニキビが治りました♡」という投稿。コメント欄には「私も効きました!」「神すぎる」の文字が並んでいる。
中でも目立つのが「リンゴ酢洗顔」。
自然派で肌に優しそう。しかも家にあるもので今すぐできる。皮膚科に行く時間もお金もかけずに済む——。
そう思って、その日の夜、洗面台にリンゴ酢を持ち込んだあなた。「少し濃いめの方が効きそう」と、ほぼ原液に近い状態で顔に塗った。
最初はピリピリする程度だった。「これが効いてる証拠かも」と思った。
でも、翌朝。
鏡に映ったのは、頬が赤く腫れ上がり、触ると痛みが走る自分の顔だった。
ニキビを治そうとしたはずが、化学熱傷を起こしていた。メイクでは隠せない。会社を休まなければならない。皮膚科で「なぜこんなことを?」と呆れた顔で見られる。
あなたが悪いんじゃない。「根拠のない情報」があまりにも多すぎるだけです。
そもそも食用だから。
SNSで「リンゴ酢でニキビが治った」と言っている人たちは、嘘をついているわけではありません。
彼らは本当にそう信じています。
たまたま肌が強かっただけ、たまたま他の要因でニキビが治っただけ、そういう「偶然の成功体験」です。
リンゴ酢のpH(酸性度)は2.5〜3.0。あなたの肌の自然なpHは4.5〜5.5です。
つまり、リンゴ酢を直接肌に塗るということは、本来の肌のバリア機能を破壊する行為そのもの。
実際に、10代の患者がインターネットの情報を信じてリンゴ酢をホクロ除去に使い、化学熱傷を負った症例が、アメリカの医学誌に正式に報告されています。
「でも、希釈すればいいんでしょ?」
そう思ったあなた。その判断は正しい方向です。
でも、問題はここから。
食用のものを何倍に薄めれば肌用になるのか、どのくらいの頻度なら大丈夫なのか——その答えを示した科学的研究は、世界中のどこにも存在しません。
つまり、あなたがリンゴ酢を使う瞬間、あなた自身が「人体実験」になってます。
| 項目 | 医療用ピーリング(サリチル酸等) | リンゴ酢(酢酸) |
|---|---|---|
| 濃度管理 | 厳密に調整(0.5%〜30%)、医師が肌質に合わせて選択 | 原液5%の酢酸。希釈方法は自己流。濃すぎても薄すぎても効果不明 |
| 接触時間 | 数分〜10分で中和・洗浄。タイマー管理 | ネット情報では「一晩貼る」「コットンパック」など長時間接触を推奨 |
| 安全装置 | 中和剤(重曹水など)を即座に用意。異常があれば即中断 | 自宅では中和剤なし。「しみるのは効いてる証拠」と我慢を続ける |
つまり、リンゴ酢洗顔は、「ブレーキのない車で高速道路を走る」ようなものです。
医学には「閉鎖密封療法(ODT: Occlusive Dressing Therapy)」という技術があります。
ラップやテープで薬を密封することで、浸透率を高める方法です。
これは医療用ステロイドなど、効果と安全性が確立された薬剤で使われる技術。
でも、ネット情報では「リンゴ酢をコットンに染み込ませて、バンドエイドで貼る」と書かれています。
これをやるとどうなるか?
酢酸の浸透率が爆発的に高まり、わずか数時間で組織壊死(皮膚の細胞が死ぬこと)を起こします。
実際に、14歳少女は3日間、8歳男児は8時間の密封で、化学熱傷を負った報告があります。
しかも、恐ろしいのはここから。
痛みを感じたときには、もう遅い。
酢酸は皮膚の深層まで浸透してから初めて「痛み」として自覚されます。表面がヒリヒリする程度のときには、すでに真皮(肌の深い層)がダメージを受けている可能性があります。
リンゴ酢洗顔を推奨しません。
でも、現実には「ネットで見た」「友達がやってる」という理由で、どうしても試したいという患者さんがいます。
そういう方には、最低限これだけは守ってほしいと思っています。
| やってはいけないこと | なぜ危険なのか |
|---|---|
| 原液(酢酸5%)をそのまま使う | 化学熱傷の原因。数時間で皮膚壊死を起こす可能性 |
| コットンパックやバンドエイドで密封 | 浸透率が爆発的に高まり、数時間で組織壊死 |
| 傷のあるニキビ・潰れたニキビに塗る | 正常な治癒が阻害され、赤みが数ヶ月〜数年続く原因に |
| 「しみる」を我慢して使い続ける | バリア機能が破壊され続け、取り返しのつかない傷跡に |
| 毎日使う | 慢性的な刺激で、肌の回復力が失われる |
| 項目 | 安全な方法(それでもリスクはある) |
|---|---|
| 濃度 | 水10に対して、リンゴ酢1(10倍以上希釈) |
| 接触時間 | ふき取りのみ。数秒で洗い流す(絶対に放置しない) |
| 使用頻度 | 週1回まで |
| 使用箇所 | 傷のない健常皮膚のみ(ニキビのない部分) |
| パッチテスト | 初回は必ず腕の内側で24時間テスト |
でも、これを読んで気づいてほしいのです。
ここまで厳密に条件を守っても、効果が証明されているわけではない。
つまり、あなたは「リスクだけ背負って、リターンはゼロ」という負け戦をしているのです。
まだやりたいですか?
「でも、ピーリングとか、酸を使うニキビ治療ってあるよね?全部危険なの?」
違います。医学的に効果と安全性が証明された酸は、正しく使えば非常に有効です。
問題は、「どの酸を、どの濃度で、どのくらいの頻度で使うか」が科学的に検証されているかどうか。
①過酸化ベンゾイル(BPO)
②アダパレン
③サリチル酸
④アゼライン酸(保険じゃない)
これらの「本物の酸」は、すべて以下の条件を満たしています:
✅ 適正濃度が科学的に確立されている
✅ 使用方法(頻度・時間)が明確に指導されている
✅ 副作用が予測可能で、対処法が確立されている
✅ 複数のランダム化比較試験(RCT)で効果が証明されている
✅ 医師・薬剤師が責任を持って提供している
当院のピーリングは、効果をすべてコントロールし、研究結果があるもののみ使用しています。
一方でリンゴ酢は?
❌ 適正濃度が不明(ネットでは「原液」から「10倍希釈」まで情報がバラバラ)
❌ 使用方法が不明(「一晩貼る」から「数秒で洗い流す」まで情報がバラバラ)
❌ 副作用(化学熱傷)が予測不能で、対処法も不明
❌ ヒトを対象とした臨床試験は世界中に存在しない
そもそも、リンゴ酢は食用です。
※セキュリティのため、最終受付時間後のドアの開閉は
警報が作動することがあります。